カスタム・DIY

ハイゼットカーゴ【S700V】をDIY!
第0弾「初心者でも分かる電源の取り出し方・ヒューズボックス完全解説

素人には素人なりの知識と臆病さが必要。

素人が電源をいじるわけで"これをしたらいい"と"これはしてはいけない"を覚えておかないと大変なことになります。

これを読んだ上で実際にやるかどうかはご自身でご判断ください。

■この記事でわかること

  • ハイゼットカーゴ(S700V)の電源取り出しに必要な全知識
  • 【初心者向け】安全な作業手順と、絶対にやってはいけないこと
  • ACC電源や常時電源の見つけ方【S700Vの罠も解説】
  • 筆者のリアルな電源活用実例

ハイゼットカーゴ【S700V】の電源の取り出し方

まずは車の電源の種類から解説です。大きく分けて3種類の電源があります。

ACC電源 (アクセサリー電源)

キーを1段階だけひねった状態(またはブレーキを踏まずにプッシュスタートを1回押した状態)でONになる電源です。

  • 役割: エンジンをかけずに、カーオーディオやナビ、シガーソケット(アクセサリーソケット)などの快適装備を使うための電源です。
  • 特徴: エンジンを始動させる瞬間(キーをSTARTに回した時)に、一度電力がOFFになります。 これは、バッテリーの全力をスターターモーターに集中させるためです。
  • 用途: ドライブレコーダー、追加のUSB充電器、レーダー探知機など、走行中に使いたい多くの後付け電装品は、このACC電源に接続するのが一般的です。

IG電源 (イグニッション電源)

キーを2段階目までひねった状態(またはブレーキを踏まずにプッシュスタートを2回押した状態)でONになる電源です。

  • 役割: エンジン制御(ECU)、点火プラグ、燃料ポンプ、メーターパネル、エアバッグなど、クルマが走行するために必須のシステムを動かすための電源です。
  • 特徴: エンジンを始動させる瞬間も、走行中も、ずっと電力がONのままです。 走行に必須なシステムなので、途中で電源が切れることはありません。
  • 用途: 基本的に、後付けのアクセサリー類をここに接続することは少ないです。ETCなど、エンジン始動時に一瞬でも途切れると困る一部の機器で使われることがあります。

常時電源

エンジンのオンオフに関わらず常に電気が流れています。

基本的には触らないけどドラレコの駐車場監視機能などを使いたい場合は常時電源が必要。

今回は触れません。

ハイゼットカーゴ【S700V】の電源の取り出しに使う工具

  • 検電テスター
  • 低背ヒューズ電源取り出しコード
  • 電工ペンチ
  • ギボシ端子セット
  • 内装はがし

ハイゼットカーゴ(S700V)のヒューズは『低背(ていはい)』というタイプが使われています。
電源取り出しコードを買う際は間違えないように確認してください。

①ヒューズボックスから電源を取り出す

ヒューズボックスから電源を取り出す方法が1番簡単で安全なのでおすすめです。

まずはヒューズボックスの中からACC電源を探します。
【S700V】のヒューズボックスは下の写真の赤くぬり潰した位置にあります。

このパネルは真下に引っ張ればそれだけで外れます。工具もいらない。力もそんなにいらない。必要なのは勇気だけ。真下ね。真下に引っ張る。

パネルが外れると見えてくるのがヒューズボックスです。ハイゼットカーゴ【S700V】の大事な部分。これのどれかが切れたり外れると動かなくなる可能性もある。かなり大事な部分です。(コードがビヨ〜んとしてるのはもうすでにDIYで電源取ってあるところ)

S700Vのヒューズボックス

外したパネルの裏を見るとどのヒューズがどこの電源かが書いてあります。暗号で。

ヒューズボックスの配置図

ヒューズボックスの電力の考え方

  • クルマの電圧は 12V 。(24Vもある)
  • 上の図の「WASHER」から電源を取りたい場合、「WASHER」のヒューズは 15A の容量がある。
  • 電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)なので、12V✖️15A=180W が、そのヒューズが担当する回路全体で使える電力の理論上の最大値
  • でも、その15Aのヒューズは元々ウォッシャーなどの純正部品を動かすためにある。
  • したがって、180Wから「ウォッシャーが作動時に使う電力」を差し引いた残りが、追加で使える電力の目安になる。
  • さらに、ヒューズは定格の100%で使い続けると劣化や発熱の恐れがあるため、全体の80%程度(この場合は144W)を上限と考えるのが安全です。

ヒューズボックスの中からACC電源を探す

検電テスターを使います。


使い方は簡単。検電テスターのクリップ部分でボディの金属部分を挟みます。(アース)


次に鉛筆みたいになってる先をヒューズの数字の両脇にある金属の部分に当てて行きます。光ると電気が来てるってこと。
エンジンがかかってない時でも電気が来てるところが常時電源。

常時電源だとエンジンが止まってる状態でも光る。
ACC電源だとエンジンが止まってる状態では無反応です

エンジンがかかってない時に電気が来てないところがACCです。

パネルの裏の暗号を見るとここがACCと表記してます。じゃあここかと思ったらこれは罠でした。検電テスターで調べると常時電源です。

その右上のP/OUTLETのところがハイゼットカーゴ【S700V】のACCです。紛らわしい・・・

ACC電源だと確認できたら、次にヒューズの穴のどちらが「電源側」かを調べます。

1.キーをACCの位置まで回します。(エンジンはかけない)
2.先ほど見つけたACC電源のヒューズを抜きます。
3.検電テスターで、ヒューズが刺さっていた2つの穴を調べます。
4.テスターが光った方が「電源側」(バッテリーからの電気が来ている側)です。

この「電源側」を覚えておく作業はとても重要です。後で電源取り出しヒューズを挿す際に、ヒューズから配線が出ている方を、この「電源側」と逆の穴(負荷側)に合わせて差し込みます。

こうすることで、元の回路と新しい回路が別々のヒューズで正しく保護され、安全に電源を取り出すことができます。

ここまでがヒューズボックスの電源の探し方です。

安全なところから電源を取るのが基本

例えばECUなんかはコンピューターの電源らしいのでこんなところから電源取ってヒューズ飛ばした日にはもう何が起こるかわかりません。間違いなく車は動かなくなる。じゃあ電源取っていいのはP/OUTLETだけなんかと言うとそんなこともなく

例えば「REAR WIPER」これなんかいいですよ。IG電源だし10Aの容量。
もしヒューズが切れてもリヤのワイパーが動かなくなるだけ。リヤワイパーなんて雨降って動かなくなってもなんとかなります。
次に「WASHER」これはウォッシャーね。フロントガラスのウォッシャー。これも飛んだところでウォッシャーが使えなくなるだけ。運転に支障なしです。

このようにP/OUTLET以外にもヒューズボックスから安全に電源を取ることはできます。

②既存の電源から分岐する

例えばナビの電源のプラス線とかから取り出すことも可能です。

こんなのを使います。

ただ、上記のパーツはトラブルの元(断線)になり得るのでしっかり最終手段くらいにしておいた方がいいと思います。自分は自己責任で使ってますが今のところ大丈夫です。

③アースを取る

−(マイナス)線をボディの金属部分に接続します。先ほどの検電テスターでクリップを止めたところなどがオススメです。

①or②+③で電源の取り出しは完了です。

ハイゼットカーゴ(S700V)で既に使っているヒューズボックスの電源の取り方(自分の場合)

赤枠は「WIPER RR」でスマホ用。緑枠は「P/OUTLET」でドラレコ用のシガーソケット。青枠はiPad用で「WASHER」

これを使っています。容量は使うヒューズに合わせて購入してください。下のリンクは15A用

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まとめと今後の電源の使い方予定(S700V)

執筆中の今は6月上旬なのでまだ大丈夫ですが、これから夏を迎えるのに車載ファンや車載冷蔵庫を検討中です。基本はシガーソケットから取る予定で何か増設するつもりは今のところありません。

自分なりのハイゼットカーゴ(S700V)配送仕様のDIY。ひとまず電源が必要なものはほぼ完成したと思っています。

次回はドラレコをDIYで取り付けた記事です。

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